資金繰り表が続かない理由と、続けるための3つの工夫
資金繰り表(これから3か月ほどの、入ってくるお金と出ていくお金を並べた表)を作ってみたものの、2〜3か月で止まってしまった。そんな話をよく耳にします。
最初の1回は、思い立った勢いで作れます。難しいのは、それを毎月続けることです。この記事では、続かなくなる理由と、続けるための工夫を整理します。
続かなくなる、よくある理由
細かく作りすぎる
最初から、取引先ごと・1日ごとの表を作ろうとすると、毎月の更新に時間がかかります。忙しい月に一度止まると、そのまま再開しにくくなります。
「見る日」が決まっていない
表を作っても、いつ誰が見るのかが決まっていないと、後回しになりがちです。資金繰りは、困っていない月ほど見なくなります。
予定と実際を比べていない
作った表と、実際のお金の動きを比べないままだと、表の数字が当たっているのかどうかが分かりません。当たらない表は、やがて使われなくなります。
続けるための3つの工夫
1. 大きな項目だけで始める
最初は、次のくらいの粗さで十分です。
- 入ってくるお金:売上の入金(請求した月ではなく、入金される月に書く)、借入の実行など売上以外の入金
- 出ていくお金:仕入・外注、人件費(賞与を含む)、家賃などの固定費、設備の支払い、借入の返済、税金・社会保険料
- 月初と月末の預金残高
あわせて、給与日や返済日など、月の途中で残高が一番少なくなる日も確かめておきます。月末の残高だけを見ていると、月の途中の不足に気づけないことがあるためです。
金額の大きい項目が押さえられていれば、「いつ・いくら足りなくなりそうか」はおおよそ見えてきます。細かくするのは、続けられるようになってからで遅くありません。
2. 毎月、見る日と時間を決める
以前の記事で「月に1回の見直し」に触れました。ここでは、それを習慣にする方法を具体的にします。
「試算表が届いた週の月曜の朝30分」のように、見る日と時間を先に決めておきます。なお、実際のお金の動きは、試算表ではなく通帳の入出金と残高で確かめます。試算表は売上や費用が発生した月で数字を載せるため、お金が動いた月とずれることがあるからです。
ひとりで見るより、誰かと一緒に見る時間にすると続きやすくなります。社内の経理担当の方でも、外部の専門家でも構いません。
3. 先月の予定と、実際の結果を比べる
毎月の見直しでは、新しい月を書き足す前に、先月の予定と実際を1行ずつ比べます。
ずれが大きかったところには、理由を一言だけ書いておきます。「入金が翌月にずれた」「賞与の月を入れ忘れた」といったメモがたまると、次からの予定が当たりやすくなります。
- 最初の10分先月の予定と実際を比べ、ずれの理由を一言ずつ書く
- 次の10分来月以降の大きな入金・支払いの予定を直す
- 最後の10分新しい月を1か月分書き足し、月末の残高を確かめる
続けていると、見えてくること
資金繰り表を半年ほど続けると、季節ごとのお金の動きや、残高が薄くなりやすい月が見えてきます。そうなると、借入の相談や設備投資の判断を、早めに考えやすくなります。
銀行に今後の見通しを説明するときにも、続けてきた資金繰り表は、説明の土台にしやすくなります。
一緒に見る相手がいないときは
表を作る人はいても、毎月一緒に見る人がいない。そんな会社もあります。
当社は、財務のアウトソーシングとして、月ごとの定例で資金繰り表を一緒に見直しています。表がまだない状態からでも、ご相談いただけます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
財務の担当がいない会社で起きやすいことと、最初の一歩はこちらの記事で、銀行が決算書で見ているところはこちらの記事で紹介しています。
HT・MIRAIZ